ベニとでも名付けよう



言われる通り、私は森を歩く。


緑は透き通って、私の上に日だまりが落ちてくる。


私の足音はこの森になんの違和感も与えず、いいアクセントになっていた。


ここを歩いていると、現実の学校生活や街の雑踏なんかは排泄物のように思えた。


でもそれは錯覚に過ぎない。現実の生活に私たちは依存しているし、もう私自身が都会の流れに組み込まれている。


だから時々、私はこの世界に操られていて、ただの駒にしかなり得ないんじゃないかと思ってしまう。


こんな話を学校ですると絶対に浮いてしまうから、みんなとファッションとかバラエティーの話に華を咲かせる。


そんな自分が嫌いだ。

だから私はここにいると私の身体で生きていることを実感できた。