ベニとでも名付けよう



私はジャムおじさんの言う通り、救急車を呼ばなかった。


私とジャムおじさんはトーストとサラダとコーヒーを朝食に食べた。


自然とお腹は空いていたし、喉も渇いていた。


「今日は森の方に散策に行くといいよ。気持ちが落ち着くから。」

ジャムおじさんの言葉には安心感がある。


私は大丈夫だって思える。


「一人で行けるかな?私、道とかわかんないよ。」


「大丈夫。ちゃんと道は舗装されてるし、迷ってもここでは鳥が教えてくれるから。」


私たちは目を合わせて笑った。


お母さんが死んだのに私はこの旅行を楽しもうとしていた。