8月16日 10時22分 私と母は長野に降り立った。 私が「まゆこ」と出会う4日前。 私たちが1両編成の電車から降りた時、周りに音はなかった。 しかし、目の前に広がる景色はやかましいくらいに私の視覚に刺激を与えた。 温められたコンクリートではなく、無限に広がる森。 爽やかな風。私は息をしていたのか、この景色に息をさせられたのか。 まぁ間違いなく長野に私は生きていた。