「でもね、高校に入って、友梨香ちゃんに出会ってから女子を見る目が変わったんだよ」
「あの子はノーメイクだしね。性格もサバサバしててあたしも好きよ」
「うん。なんか・・・言いたいこと全部言われちゃった感じ~」
「今思ったけどアンタ女子みたいね」
固まったような大河の顔。
もういっそ、オカマになればいいのにとか思う。
「あ、続きは?ないの?」
「・・・あります・・・」
なんで敬語?
ってか、泣いてる!?
うそでしょ、何男泣き!?
初めて男泣き見たけど・・・
痛い痛い、コイツめっちゃ痛いぞ!
女子みたいって言われただけで泣いちゃうの?しかもあたしの初男泣きこんなんで見せちゃうの!!?
「友梨香ちゃんね、誠也が今まで思ってた女子のイメージを壊したんだって。なんか、言い方変だけど・・・。高1の時、友梨香ちゃんを初めて見て、感動したらしいんだ。化粧もしてないし、ブリっ子もしない。そんでもって、男には目もくれない」
「あー、そうね。確かに」
「誠也は、見た目とかじゃなくて中身で選ぶ男なんだ。友梨香ちゃんは、見た目は普通だけど、ベタベタしてなくて、自分にウソをつかないから好きなんだって」
自分にウソをつかない。
今の友梨香は、違うと思う。
誠也が現れたせいで、また過去に戻ってる。
「そのままが一番いい。って言ってた」
“そのままが一番いい”
あたしには重い言葉ね。