雨の日の天使



「なぁ」

「・・・・」

「おい!八神!!」

「・・・何?」

うるさいうるさい

大きな一枚の机に4人の生徒(男女)が向き合いながら座る

目の前の平野は私をまっすぐに見て

さっきから呼んでくる。

「よろしくな?」

「・・・・うん・・」

何こいつ。こんあやつだっけ?

『よろしくな?』って意外と礼儀正しいとか・・・

無邪気な笑顔を向けて隣の木村にも同じ事行っている


でも、私の隣の若葉さんには何も言わなかった。


なんでだろ・・・?

若葉さんって結構暗いし

そういう理由なのかな?


でもさっきので平野への緊張感が少しなくなった気がする

「え~では黒板のとおりに実験をおこないましょう」


皆は実験器具や実験物を取りに席を立つ

私は話を聞いていなかったために黒板を見ながら

ぼーっとしていた・・・


「八神サボんな!取りに行けや?」


「え・・・あ、うん」

キレ気味で来る平野。手には器具をもっていて

机の上には、もぉ器具も物もそろっていて

「もぉ揃ってんじゃん!」

と言うと


一瞬机を見てニヤっと笑った。


「じゃぁ、お前は最後にこれ全部ひとりで片付けろ」

ひとりを強調してムカつく笑みを浮かべている平野。


やっぱりムカつくコイツ。

「全部じゃなくてもっ!」

「おい!八神さんが全部後片付けするって」

戻ってきたグループの皆に言いふらす


「あ、そう」
「大丈夫?」
それぞれ一言述べていた

「はぁ分かったよ・・・」
もぉ、言いふらしたやるしかないな・・・


「よろしく」

そしてまたうざく笑った。