「一度も、ですか?」 「うん。一度も。学校で描いているところは、ないな」 へぇ。 意外。 すごく、意外。 「そうだ。今度、ひなちゃん、デッサンのモデルになってよ」 「あ、はい」 「ありがとう。 あ、そろそろ電車来るよ。じゃ、また明日ね」 そう言うと、生川先輩はわたしの頭をくしゃっと撫でた。 どきっ。 こういうの、どきどきする。