「で、とりあえず学校には来られるようにはなったんだけど、体育館にはなかなか近寄れなくてさ。 ボールが弾む音を聞くのすら、つらかった。 あ。けっこうナイーブなの、おれ」 わざとおどけて言うから、よけいに痛みが伝わる。 「無気力な毎日過ごしててね。 あの日も教室の窓からぼんやりグラウンド眺めてたんだよ。 そしたら、無言で根岸がおれの隣りに来てさ。 あいつ、なんて言ったと思う?」 「さ、さぁ……」