「ねぇ、ひなちゃん」 「は、はい」 「そんなに緊張しなくていいよ?」 「は、はい」 ああ、恥ずかしい。 だけど、王子様みたいな人に王子様のようなことをされたら、ドキドキしますよ。 「ところでさ。ひなちゃんって、彼氏とかいるの?」 「え?ま、まさかまさか。彼氏のかの字もいません」 「そうなんだ」 窓から爽やかな風が入ってきた。 生川先輩の髪を、ふわりとなびかせた。