「あなたっていう人はいったいどこまでおめでたいの。
親っていう生き物はね、自分の興味のないことに、しかもくだらないと思っているものには、びた一文払いたくない生き物なのよ」
びた一文って。
おじいちゃんからしか聞いたことない言葉だな。
「まあ、確かにそうだね」
「だから。とりあえずライブに行くためのお金だけは、最低でも稼がなきゃいけないから。
内緒だよ?」
「うん」
そう頷いてからは、あやめちゃんのFree談義が始まり、誰が一番かっこいいだとか、誰が一番ダンスが上手だとか、明日この番組に出るから見てみて、だとか、話は尽きなかった。