「今度N市に、Freeが来るの!」


そう言ったあやめちゃんの目はすでにハートになりかけていた。


Freeといえば、今人気急上昇中のアイドルグループだ。


「そうなんだ」


「そうなんだ、じゃなくて!あのFreeだよ!なに、その反応の薄さは!」


いや、だって。


わたし、正直、あんまり興味がないもので。


「ライブチケット、昼の部と夜の部、押さえられたんだよ!

これってすごいことなんだよ!」


「え、っていうか、二回も行くの?」


わたしの返事は、あやめちゃんにとって肩すかしだったようで。