それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜



ひなは。


中学時代、葉山のことが好きだったんだろうか。


もしくは憧れの存在ってとこだろうか。


とにかく好意を寄せていたんだろうことは、こいつの態度でわかった。


じゃなきゃ、あんなに真っ赤に頬を染めないだろう。


だから、俺と絡めていた指だって、とっさについ解いてしまったんだろう。


ふつふつと湧き上がる苛立ちのせいで、俺はかなり強くひなの肩を抱いていたようで。


「せ、先輩。あの、ちょっと痛い」


そう言われて、俺はするりと腕を下し、足を止めた。








「……禁止」








小さく呟いた。




「え?」








「……ああいう顔、他の男に見せるの禁止」








ちらりとひなを見ると、ひなはきょとんとしていた。


「ああいう顔、って……?」


自覚がねぇのか、こいつは。と思って、あるわけないか、と思い直した。