「サンキュ」
ひなの次の言葉を待たずに、俺は葉山をまっすぐ見据えて言ってやった。
「え?」
「あれ、俺が描いたから」
まさかあの絵を描いた本人が目の前にいるとは思わなかったのだろう、葉山は驚きのあまり目を見開いていた。
「そ、そうなんですね。……あれは、すばらしかったです」
葉山は素直に褒めてくれた。
しかも丁寧語で。
だけど、そのいかにも優等生な対応が余計に俺をイラつかせた。
「じゃ、これで」
俺はこれ見よがしにひなの肩を抱き寄せ、葉山たちの横を通り過ぎた。
「あ、し、失礼します」
ひなは葉山を振り返り、申し訳なさそうに頭を下げた。
ああ、そういう態度がムカつく。
なんであいつにそんなに気を遣うんだよ。

