それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜



「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」


そいつは目を糸のようにしてひなに笑みを向けた。




……なんか。


気分悪。




「そうそう。河合さ、アート・ウェーブ出品してたよね。中学ん時より上手くなってた」


「ほんとですか!?ありがとうございます!」


相当嬉しかったのか、ひなの表情はぱっと明るくなった。






ふーん。


こいつは中学時代の美術部の先輩ってことか。


見るからに優等生タイプだな。


サラ艶な栗色の髪といい、なんとなく生川(なるかわ)に似てる。


「オレびっくりしたのはさ。河合がモデルになってた絵!あれ、すごかったなあ、マジで」


「あ、うん……」


ひなは真っ赤になってちらりと俺を見上げた。


この人が描いたって、さっさと言っちゃっていいのに。


俺の顔色窺うなよ。