「送るよ」
片づけを済ませた根岸先輩は、バッグを肩に掛けた。
甘えてもいいのかな。
そんなことを考えているうちに、根岸先輩は「ほら、行くぞ」と店の扉を開けた。
「は、はい」
外に出ると、夕方とは思えないほど、むしむしと暑かった。
根岸先輩の左側を歩く。
だけど、歩幅の広い根岸先輩に合わせるとやっぱり一生懸命歩かなくてはいけないわけで。
そういえば、前にもこんなことあったっけ。
「お前は小動物か」なんて言われたけど、ちゃんと歩幅を合わせてくれたんだよね。
あの時は、それだけのことでやたらとドキドキしたっけ。
少し前のことなのに、妙に懐かしくなるから不思議だ。

