それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜



「そんな大切なカツサンド……」


そんな大切な思いのつまったものを、わたしのために?


「俺のせいで倒れられたら、たまんねぇからな。俺が思う一番精のつく食い物持ってきたんだよ」


そう言うと、先輩はいたずらっぽく肘でわたしの腕を小突いた。


先輩……。


ありがとう……。


先輩の優しさが、心にじんわりと染みわたる。


涙があふれそうになる。


「まあ、そんなこんなで、居場所のない俺をおやじさんが拾ってくれて、今に至るわけだ。

 ……今回の退学騒動も……叱ってくれて。住み込みさせてもらうことになって。

 ……ほんと、もう頭上がんねぇよ」


苦笑する根岸先輩の隣りで、わたしは涙をこらえて唇を噛みしめていた。