「でも、おやじさんに止められた。住み込みで働かせてやるから、高校だけは出とけって」
根岸先輩は、お茶をぐいっと流し込んだ。
「あ、お前も飲むか?カツサンドだけ食ってたら、口ん中、もさもさするだろ」
「あ、ありがとうございます……」
何気なく差し出されたペットボトルを受け取ったのはいいけれど。
これって。
さっきまで、根岸先輩が飲んでたわけで。
飲んじゃって、いいのかな。
キスされたのに、今さらって感じだけど、なんか、緊張する。
思わずペットボトルの飲み口をじっと見つめてしまっていた。
だけど、このまま固まっているのもなんだか不自然だし、実際、お茶飲みたいし。
わたしはそうっと、飲み口に唇を当てた。

