「お前の連れ、ガチガチに緊張しながら言ってたよ、お前のこと。
ご飯食べられなくなるくらい悩んで傷ついてるくせに、俺の心配ばかりしてるって。
なんとかしてくださいつって、お前の連絡先、置いてった」
あやめちゃん……。
あなたって子は……。
あやめちゃんの優しさに、目頭が熱くなる。
「はあ……」
根岸先輩は、体中の空気を吐ききるようなため息をつきながら背もたれに身を預け、空を仰いだ。
時折走り抜ける自動車の音、カラスの鳴き声。
遠くの方で聞こえる、五時を告げるチャイムの音。
しばらくの沈黙の後、先輩はふぅ、と小さく息を吐いた。

