根岸先輩に促されるまま、公園のすみにあるベンチに腰かける。
夕暮れ時。
誰もいない公園に、二人きり。
辺りは案外静かで、わたしの鼓動が聞こえそうだった。
「それ、貸しな」
根岸先輩はわたしの手の中にある紙袋を指差した。
「はい」
手渡すと、根岸先輩は袋の中からカツサンドを取り出し。
「食え」
「え……あ、はい……」
言われるがままに受け取り、ぱくりと一口頬張る。
すると、口の中いっぱいにお肉の甘みが広がった。
「これ、おいしい」
「だろ?おやじさんのカツサンドは絶品なんだ」
そう言うと、根岸先輩は少し得意げににんまりした。

