それから、数日たったある日のことだった。


とぼとぼと学校帰りの道を歩いていると。


「おい」


聞き覚えのある声だった。


……まさか。


声のした方を振り向くと、公園のフェンスに根岸先輩がもたれかかっていた。


「根岸先輩!」


どうして、ここに?


思わず駆け寄ると。


「食え」


「え?」


突然差し出された、小さな紙袋。


「えっと……え……あ、ありがとうございます……」


なにがなんだかわからず戸惑いながらなんとなく受け取ると、それはまだ温かかった。