「ひなちゃん、ちょっと」
ぐいと手首をつかまれ、廊下に連れ出された。
浅野先輩は、いつになく真剣な面持ちで。
「大変だ。根岸の野郎、退学届出したみたいだ」
「えっ!?退部じゃなくて?」
「うん。退学。さっき、あいつの担任に呼び出されてさ。最近変わった様子はなかったか?って聞かれたんだよ。
で、なんでそんなこと尋ねるのか聞いてみたら、こっそり教えてくれたんだ、退学届のこと」
思わず口を手で覆ってしまった。
どうして。
どうして、そんないきなり退学だなんて。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…