「ごめんなさい」


「そんなに謝らないでよ。なんか、おれがひどい男みたいな気分になるから」


「あ、ごめんなさい。って、あっ……」


また謝ってしまったわたしを見て、先輩はくすりと笑った。


「さあ。ひなちゃん。もうこの話は終わりだ。

 おれはこれからもいつもどおり部活に顔を出すから。

 だからひなちゃんもこれまでどおり、部活に来てよ」


そう言って、小指を立てた。


そっと先輩の小指に指を絡ませる。


「約束」


「……はい。ありがとうございます」


先輩は、小指に少し力を入れた。