それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜



『お試しなんかでつき合ってんじゃねぇよ』


今なら、わかる。


だから、こんなことになっちゃったんだ。


「しょうがない後輩だなぁ」


浅野先輩は思いきり伸びをしながら初夏の空気を吸い込んだ。


「だけど、いい奴だと思うよ、オレは。ひなちゃんのこと」


そう言って、にんまり笑って見せた。


「いい奴って……どこがですか」


うな垂れながらそう言うと。


「ちゃんと、問題に向き合おうとしてる」


「え?」


「だって、別に生川のこと、嫌いじゃないんだろ?」