「どうしたの?」 「え?」 「なんか、ぼーっとしてたよ」 「あ、な、なんでもないです」 「悩みごと?」 「いえ、ほんとに、なんでもないです」 「そう。困ったことがあったら、なんでも言って。相談にのるから」 「ありがとうございます」 わたしは頭をぺこりと下げた。 生川先輩、相変わらず優しいな。 ……やっぱり。 浅野先輩の勘違いだよ。 浅野先輩、深読みし過ぎだよ。