私は夏も好きじゃないけど、冬も好きじゃない。


肌が荒れるし、乾燥はするし、手入れが大変なのよ。


冷たくなった身体を暖めるために、こたつの中に入って手を温める。


あぁじんじんする。


だけどこんな毎日が日常になりつつあった。


そんな冬休みに入って、いつもの様に悠士の家で寛いでいる時だった。



「美菜」


「何よ」


携帯に視線を落としたまま、声を出した悠士。


話す時くらいこっち向きなさいよね。


「今度高梨の家に集まるんだけど、お前も行くよな?」


悠士はさも当たり前みたいに話してるけど、ちょっと待って。


目を瞑って、記憶を呼び起こす。


…高梨?
あーっと…高梨、高梨、高梨…


……ああ。悠士の中学時代の友達ね。


いたいた。そういえばそんな奴。