その日私は機嫌が悪かった。


「バイト先に愛未と同じ学校の奴がいるんだ。榎並柾樹って1年わかる?」


「知らね」


ムカムカムカムカ。

私の腸(はらわた)は今にも煮えくり返りそうだった。


私の部屋のベッドに腰掛けて、私の髪を弄る目の前の男に。



本当は榎並柾樹を知っていた。…
なんかイケメンとか騒がれてた奴。


だけど今はそんな事どうでもいい。



…あんた浮気してんじゃねぇの?



ギロリ睨みつければ


「何怒ってんの?」


きょとんとした修平の顔に更にムカつきが増した。


「…別にっ」