「…何言ってんのぉー?ソレ前にも聞いたー」


美菜が笑いながら言う。


「…本当の俺知ったら美菜引くかもよ…?」


「…え?」


美菜と悠士の付き合いは小学生から。


知らないことなんてないはず。

でも知らない部分があるとすれば、それは恋愛に関して。



「前にも言ったけど、俺本気だから」


「…何それ。私は本気じゃないって言いたいの…?」


「俺…重いから、お前の事縛るよ?」


「…いいよ縛って。私も本気で悠士が好きだから」


美菜はそう言って悠士に抱きついた。


それは、2人の間にとても穏やかな空気が流れていた夜の事。