「お前妃芽と知り合いじゃないよな?」


そう、確かに知り合いじゃないはず。



「お前と平山ちゃんが妃芽に会わせてくれたんだよ。あの日に」


「…は?」


ヘラヘラ笑いを浮かべていた顔を、いきなり止めた朝井は更に言葉を続けた。


「お前らあの日俺と妃芽置いて帰っただろ。忘れたとは言わせねーよ」



…確かにあの日俺は妃芽を置いて帰ったし、朝井も置いて帰った。


で?


それがなんなんだ。



考えても全然わかんねぇ。


俺ってこんなバカだったか?