私、泣いてばっかりだね。


私は右手の薬指にある指輪を翳す。


柾樹がくれたのはシルバーのリング。


私の誕生石、アクアマリンがついた、シンプルだけど可愛い指輪。


「…ありがとう」


「彩音は泣くのが好きだな」


フッと笑う柾樹の口調は柔らかい。


泣きたくて、泣いてるんじゃないよ。
みんなが私を泣かせるの…


でもそれは、嬉し涙だから、いいよね?


「…今はこんなんだけど、いつかはソッチにはめるから」


そう言って指すのは左の薬指…


あぁ、もう。
涙が止まんないよ…


「柾樹、好き」