「はい。バレンタインチョコ」


「あ?サンキュ」


ご飯を食べた後、昨日美菜と作ったガトーショコラをあげた。


甘さ控えめに作ったそれ。


柾樹は受け取って、ちゃんと食べてくれた。


「…今日は、モテモテだったね?」


ちょっと頬を膨らませて言う。
妬きもちやいたのって意味。


「俺は、お前のしかいらない。」


「ちょ…んん…」


そう言って、されたキス。
口の中にガトーショコラの味が広がる。


甘さ控えめに作ったはずなのに、それはとてもとても甘いものだった。