「誰だって、自分の彼氏があんな状態、面白いわけないじゃない」
終始そこを睨みつけながら美菜は話した。
…そう、なのかな?
「私だけじゃない?」
その光景から視線を窓へと移す。
今にも雨が降りそうなどんよりとした空は、まるで私の心のようだった。
「私も狭いわよ、心」
“だってあの女たちに殺意を覚える”
そう言った美菜は、悠士君がどこまでも好きなんだって思える。
だから、私も柾樹が好きだからこうなんだって思った。
…その感情の名は嫉妬。
好きだから、嫉妬する。
好きだから、イライラするの。
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