「ありえないわよね?」


ギッと睨むのは悠士君の机。
まだ彼は来ていない。



「うん…まぁ…」


「しかも!私に“お前は料理できないもんな”って!!」


余程腹立たしいのか、美菜は机をバンバン叩く。


それには私も、我関せずの柾樹も…クラスのみんなも、何事かと視線を向けていた。


「だから!彩音料理教えてっ!悠士をぎゃふんと言わせたいっ!!」



美菜の瞳は闘志でギランギランだった。



「わ…わかった」


こうして彼女の料理特訓は始まったのだった。