年が明けた始業式の日美菜は言った。


「料理教えてッ!!!」


クリスマスに柾樹と2人で行った旅行のお土産を渡した私に、縋りつく彼女にただ目を剥くしかなかった。



…え?


だって彼女は以前“料理なんてできなくても、結婚したら自然にできる様になる”って言ってたよね?


俄には信じられない美菜の言葉。



「…ど、うしたの?」


戸惑うしかなかった。


「聞いてよ!悠士ったら…」


だから聞いた。
美菜の話を。


彼女の話はこうだった。


冬休みに、地元の友達の家に集まった美菜と悠士君。
その友達の彼女がご飯を作ってくれたんだけど…


…その料理はすごく美味しくて、集まった男子は終始デレデレだった…と。


もちろん悠士君も。