“誕生日だから”とお願いされたそれ。


少し縋りつくような表情をした柾樹。



………なんで許可しちゃったんだろう?



「なぁ」


「なっ…な、な、な、何?」


「こっち向け」


「嫌!」


だって目の置き場に困るッ!!!


乳白色の入浴剤入れてるのがせめてもの救い。


柾樹はくるくると私の髪の毛を弄っていた。


「………柾樹」


「あ?」


「誕生日…おめでとう。…産まれてきてくれて、ありがとう…私と…」


「お前、反則」


そう言った柾樹は、そのまま私をこの場で逆上(のぼ)せさせた。


そんな彼の誕生日だった。


……ありえない。