話を聞き終わった時には…なんとも言えない感情になった。


「こんな話、人に聞かせていー気しないよな…」


ハッと乾いた笑いを零す柾樹に私はただ、この人を1人にしたくないって思ったんだ。



「…柾樹、ずっと一緒にいようね?」


「あぁ…」


疎外感を感じたと言う柾樹。
私は柾樹を1人にしないよ?


私が柾樹を愛するから…


だから、そんな表情しないで。



「…明日、俺の地元行くか?」


「…え?」


「彩音に見せたいんだ。俺の育った場所」


不意に見せる、穏やかな顔。
いい思い出がいっぱいなんだね?
クスリと笑みが零れた。



「…柾樹がいいなら」


柾樹をもっと、知りたいから。
柾樹が良いなら、行ってみたい、と思ったの。