「…ねぇ、柾樹?」
「…ん?」
ベッドの中で、柾樹の腕の中で私は思い切って聞いてみた。
柾樹は私の髪を指でくるくると弄んでいて、その表情は愛おしいと言ってくれてるみたいで嬉しくなる。
「柾樹は…何で一人暮らししてるの?」
ずっと聞きたかった事。
…ずっと気になっていた事。
ちょっと怖いけれど、じっと柾樹を見つめる。
柾樹は何て…答えるのだろう…
「あー…俺家族海外にいるんだよ」
そう言った顔は少しの影を含んでいるように感じられた。
…なんでそんな表情なの?
「俺の親、再婚でさ…」
ぽつぽつと柾樹は話してくれた。
家族の事を…


