私がお風呂から上がった時にはもう夜の12時前だった。
ヤバいっ!
私は慌ててカバンからソレを取り出す。
ソファーに座って、TVをぼーっと見ていた柾樹に手渡した。
「お誕生日おめでとう」
「彩音…コレ…」
そのショップ袋を見ただけで目を見開く柾樹。
「喜んでもらえるかわかんないけど…」
そう告げれば、中身を見て更に驚いた柾樹は“ありがとう”とちょっと照れくさそうに。
だけど嬉しそうに言った。
…良かった。
喜んでくれて。
その笑顔に私もつられて笑顔になる。
だって1番におめでとうを言いたかった。
その瞬間に、言いたかった。


