その日はバイトが終わって真っ先に柾樹の部屋へと向かった。


「おつかれ」


「…ありがとう」


出迎えてくれた柾樹に“ご飯今から作るね”と告げて部屋に上がった。



何を作るかは前から考えていた。


柾樹の誕生日は明日。
明日は柾樹とご飯食べに行くから明日は無理。


だったら、今日食べてほしい。

準備をしてテーブルに並べられたそれ。


ハンバーグ。


私が初めて柾樹に作った、ハンバーグ。


家族以外に初めて作った料理を、美味しいと言ってくれた柾樹だから、また食べて欲しいと思ったんだ。