「…お疲れ様でした」


パタンと事務所のドアを閉める。


楽しい時間はあっという間に終わるって言うけど、焦って過ごす2日間もかなり早かった。


もう明日は期末初日。


足元がふらつく。


寝ずにここまできたけど、流石にきつい。



でも、もう時間がない。
早く帰って勉強しないと。



「おっと!…大丈夫?」


「あ…すいません」


ガタンとよろけた私を片腕で支えたのは朝井さん。


朝井さんもテスト前なのに休みを1日もとってない。


…頭いいのかな?
別に特別焦った様子もない朝井さんは、テストに自信があるのかもしれない。



「…平山ちゃん身体熱くね?」

不意におでこに当てた朝井さんの手はひんやり冷たい。


……きもちいー


「…大丈夫ですよ。多分寝てないからです」