「これ…」


「やる」



私の手のひらには赤のピアスがひとつ。


「それ俺が付けてたやつの片割れ。ひとつしかしないからやるよ」


どさっとベッドに座って言う柾樹の耳には私の手にあるピアスの片割れ。



「…ありがとう」


初めてもらった“おそろい”が嬉しくて、柾樹にすり寄ってお礼を言った。