しかし肝心の彩音はまだいない。 「…彩音いなくない?」 ベンチに腰掛けた美菜が時計を見ながら問い掛ける。 確かにもう6時過ぎたけど… 「つーかあの集団行ったんですけど」 少し慌てて悠士が言うが、そんな事は見ているんだからわかっている。 「えぇ~彩音まさか遅刻?」 はぁっとため息をついて美菜。 「でも彩音ちゃんならありえる」 ケラケラ笑う悠士。 …それから彩音が駅に現れたのはおよそ15分後の事だった。