「てか同窓会行くとかなんとか言ってたよな。アイツ」


校内を廻りながら言う柾樹。


アイツとはもちろん陸君の事で、柾樹がアイツ、コイツと呼ぶ人は大抵嫌いな人だと思う。



きっと陸君も嫌いではないかもしれないけど、決して好きではない。



「うん。同窓会あるみたいなの。行ってもいーい?」


陸君の事があるからダメとか言うかな?と思いながら聞いてみる。


「え?行けばいいじゃん」


意外にもあっさりOKされてしまって


「…いいの?」


思わず聞き返してしまう。



「久々に友達とかにも会いたいだろ?行ってきな。ただし、男には触られないで」


そう言ってフッと笑う柾樹にまたドキっとする。


柾樹は私をドキドキさせる。
特に今日はそれが多い気がする。


文化祭の開放的な空気がそうさせるのか、陸君のせいでそうなったのかはわからないけど。


そんな事考えてたら


“わかった?”と聞かれたから


“うん!”と勢いよく返事をした。