彩音side




丁度休憩時間になったからと、陸君が校内を廻ろうと言って手を引っ張るから、柾樹との約束があるのに教室を後にしてしまった。



「そういえば、今度同窓会あるし地元一緒帰る?」


ふと立ち止まり、思い出したかのようにそう言った後陸君は、少し言い辛そうに“翼が…気になる?”と聞いてきた。



その言葉に陸君も翼との事知ってるんだな、と思ったけど…


て、ゆーかみんな知ってたと思うけど…



「…大丈夫だよ」


少し考えて答える。


翼には夏に会ったから大丈夫。

逃げる必要も避ける必要もない。


もう

縛らないし

縛れないし

縛りたくない。



普通にしてるのが一番いいよね…?