「…あのさぁー、俺一応先輩なわけよ?敬語使ってよねー
ね、妃ー芽?」
朝井さんは少しほっぺたを膨らましながら、あの子に向かって"妃芽"と言った。
「…」
妃芽…ちゃんは少し困った顔をして黙ってたけど…
「柾樹君、朝井さんは私が呼んだの」
質問に答えてくれなかった朝井さんの代わりに美菜が柾樹の求めている答えを言った。
「「美菜が…?」」
それには私も戸惑った。
私と柾樹の声は同時に出ていた。
「そう。俺三浦ちゃんに頼まれてここにいるんだよねー
あ、三浦ちゃんの彼氏のおじさんこれからお世話になります」
朝井さんはそう言って仁士さんに礼儀正しく一礼した。
「あぁ、こっちこそよろしく頼むよ」
仁士さんはそう言って朝井さん、妃芽ちゃんと順々に握手をしていた。
…で?
朝井さんがここにいるわけはわかったんだけど…どうして妃芽…ちゃんがここにいるの…?
口には出さないけどこれはきっと柾樹も思ってるハズ。
…そんな顔してる。


