「あ、じゃぁまたね彩音ちゃん。柾くんありがとうね!」 「じゃぁね~」 妃芽が朝井と帰って行くのを彩音は妃芽に手を振り見送っていた。 「…俺らも帰るか」 「うん」 真夏とはまた少し違う夜風が気持ちいい。 鈴虫の鳴き声がどこからともなく聞こえて、秋の訪れを報せるかのよう。 自然と腕を絡めてくる彩音はなんだかいつもと少し違うように感じた。