「「…え?」」


美菜と悠士君は2人同時に私の方を向く。



「そう、mon chouchouフランス語で私の可愛いこちゃん。ここのオーナーが自分の娘のために付けたらしいけどね」


柾樹は看板を眺めながら、瞳を細めてフッと笑う。


「…そうなんだ」


それだけで、そのオーナーさんが娘を溺愛してるのがわかる。


そんな意味を込めたお店の名前なんて、素敵すぎる。


「さ、中入ろうッ!」


美菜は、そんな事はどーでもいいとばかりに、はりきって私の腕を引っ張って店内へと入った。