「…こんな事しても柾樹の心は君には向かない。
…これからはこんな事すんなよ」


悠士はナイフを壁から抜き取り、ハイと彼女に手渡す。


その顔は、怒っているようにも見え、宥めているようにも見えた。


「…次は幸せになれる相手に出会えるといいね」


その場に残った悠士はそう言うと倉庫を後にした。




「……ッ」


彼女はただ泣きながら倉庫の外を見ていて。


また他の子達も、そんな彼らを見つめていた。