聖戦獣




人は死の間際に一番頭がよく冴える。


足掻きながら地面でのたうち回る我が身を見つめて、軍神はひとつ気が付いた。



戦場での恐怖や、戸惑い。

こんなに苦しんでいるのに、誰の声も聞こえない。


生きたいとは生物としての本能。

死にたくないとは人間としての未練。


しかし、どれもこれも確固たる根拠はないし意味もない。


そう、意味などないのだ。



一人が死のうが生きようが、所詮神には関わりない。

戦いの果てに、わたしが求めているのは…すなわち、虚無である。