「寒~いッ!」「せっかくの入学式が…」
入学式のくせに桜の花びら一つも散らない。
寂しく、よくわからない感情。
始めてのローファーはカナリ変な履き心地。
足の裏が押し付けられるみたいな感じ。
教室に入るのだけに緊張する。
馴染めれるか大丈夫なのか。
戸惑いながらも、最終的にはいんなくちゃ。
髪を整え、ドアをユックリ開く。
見た事無いような顔ぶれ。寂しく感じた。ドアを開け、教室を見渡す私に目を向ける女子。恐々頭をペコペコ下げながら自分の席に着いた。
席に着いた途端、直ぐにため息がこぼれる。それと同時に、手のヒラに汗が滲んだ。瞬きが激しくなり、目をつむった。
怖く感じた。
私はこのまま1人かと思った。とりあえず友達作らなくちゃ…。
思いっきり音を立てて立ち上がる。誰の所に行こう…。
迷っている中、後ろに気配を感じた。
「佐々木…蓮…チャン…?」甲高い女子の声が鼓膜の内側に響く。
ドキドキしながら頭から向いた。
後ろに立っていたのはショートカットの女の子。
「こんにちはぁ…。」「こんにちは。」
私からのあいさつにニコニコ穂へ笑む。
なんで私のなを?知り合いかなぁ…。
「こんにちは。神田川 翠です。宜しくね。」
神田川…翠…?
耳に響く1人の名前。聞き覚えのあるその名前に思わずハッとした。
「どーも!智樹の彼女、翠だよ~。覚えてるかなぁ…?」

嘘でしょ…?なんでこいつがッ…。