それに加え、「しゃぼん玉」は、家族の絆といったものを強く意識し、書かせて頂きました。


今まで、家族に関する悩みを持つ方とたくさん出会い、いろいろなことを考えさせられました。

私自身も、家族に関する悩み事が絶えない時期がありました。

また、学生の頃、様々な理由から臨床心理士になりたいと思ったことがあり、そういった資料や心理学の本を片っ端から読みあさっていました。

どうしても、人の心を救う仕事に就きたかった。でも、私の至らなさが原因で夢は叶えられませんでした。

「しゃぼん玉」には、そういった経験で得たことや感じたことが出ていました。


人に相談を受けても、私は的確なアドバイスができません。

頼ってもらえて嬉しく思うのに、

助けてあげたい、力になりたいと心から思うのに、

何を言っていいのか、分からなくなってしまいます。

その場その場で深く考え、自分なりに精一杯返答はするものの、後で「あんなこと言ってよかったのかな?」と後悔したり、

考えを巡らせた末、どれも無責任な言葉になってしまう気がして、深く考えれば考えるほど、うまい言葉が出てこなくなってしまうのです。


なので、こうして作品作りを通して、悩んでみえる方の支えになれたら嬉しく思います。

それが、ほんの小さな力でも……。