菜月は空気を変えるように、メイの頭をポンポンとなでた。
メイの意識は、夫婦の写真から菜月の言葉に向かう。
「リク君がメイとどんな恋人関係になるのを望んでいるのかは、本人に聞いてみないと分からない。
でも、メイは、リク君に正直な気持ちを話すべきよ。
このまま黙っていたら、いつか後悔してしまう。
人を好きになる気持ちは、それだけ尊いものだから……。
もしメイが行動を起こしてうまくいかなかったとしても、メイは一人じゃない。
お母さんもいるし、ミズキもいる。
お父さんだって、メイの味方よ。
困ったことがあったら、みんなで考えたらいい。
メイは、思い切ってしたいことをしなさい?」
「……お母さん……」
「ふふっ。初めてお母さんって呼んでくれたわね」


